タケノコとは?
タケノコとはイネ科タケ亜科に属する植物の若芽に対する呼び名となります。日本で見られる竹は、モウソウチク・ハチク・マダケなど数種類ありますが、春の食用とされるタケノコは主にモウソウチクの若芽です。
竹は成長すると固くなりとても食べることはできませんが、タケノコは適切な処理をすることで非常に美味しく食べることができ、春の旬の食材として非常に人気があります。
そのまま食材として利用される他、メンマ(麺麻)シナチク(支那竹)などの加工食品の材料としても用いられています。
名前 | たけのこ |
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呼び名 | モウソウダケ、マダケ、ハチク、たけのこ、タケノコ、竹の子、筍、江南竹、ワセ竹、モウソウチク |
学名 | Phyllostachys heterocycla f. pubescens |
分類 | イネ科タケ亜科マダケ属モウソウチク |
旬の時期 | 春 |
採れる場所 | 主に北海道の函館よりも南の地域にある竹林で採ることができます。 |
食べ方 | 採れたてのものであれば生食可能ですが、一般的にはアク抜きをしてから様々な料理に活用されます。 |
似ている山菜 | とくになし |
主なタケノコの種類
食用とされるタケノコは多数ありますが、その中でも日本で食べられている主な種類を紹介します。
竹の種類は非常に豊富で、世界規模で見ると600種類以上、日本国内だけでも150種類以上あると言われています。以下に記載するのはその一部です。
- 孟宗竹(もうそうちく)
- 淡竹(はちく)
- 真竹(まだけ)
- 布袋竹(ほていちく)
- 亀甲竹(きっこうちく)
- 蓬莱竹(ほうらいちく)
- 業平竹(なりひらだけ)
- 千島笹(ちしまささ)
- 唐竹(とうちく)
- 四方竹(しほうちく)
- 寒竹(かんちく)
- 矢竹(ヤダケ)
- 雌竹(メダケ)
日本国内だけでも非常に種類が多い竹ですが、食用となるのはその一部のタケノコになります。代表的な品種は以下のとおりです。
- 孟宗竹(もうそうちく)
- 中国江南地方原産の竹で、日本国内にも広く分布しています。食用とされるタケノコの代表的な品種で、白く柔らかい触感と甘みの強い味わいで人気があります。表面は薄い黒斑と粗い毛の生えた皮に覆われており、調理の際はそれらを剥ぎ取り白い部分のみ食用とします。京都府を始め、全国的に栽培も盛んに行われています。
- 淡竹(はちく)
- 淡竹はその名の通り表面が淡い紅色をしており、孟宗竹と比べても細身で小振りなタケノコが生えます。時期的にもゴールデンウィーク明けころから顔を出し始め、グングンと成長します。一般の市場には出回りにくいものの、食用としても人気の高いタケノコです。
- 真竹(まだけ)
- 真竹は孟宗竹のように皮に黒斑がありますが、産毛がなく全体的に細身となっています。別名で苦竹(ニガタケ)と呼ばれるようにエグみが強いため、食用とする場合はしっかりとアク抜きをする必要があります。中国固有・日本固有とどちらの言われもあり、定かになっていない品種です。
- 寒竹(かんちく)
- 日本原産と言われる寒竹は、その名の通り秋から冬にかけてタケノコが顔を出します。小型で細身の竹で、庭などの観賞用としても人気のある竹になります。タケノコは柔らかい食感と甘味の強い味わいで、食通の間ではとても人気があります。
- 四方竹(しほうちく)
- 四方竹(しほうちく)は形に特徴があり、切ると断面が角丸の四角い形状をしています。収穫するとすぐに強いアクがでることから流通していませんでしたが、近年は水煮に加工するなどの処理方法が確立されています。見た目は人気のネマガリダケにも似ています。
- 根曲がり竹(ネマガリダケ)
- 根曲がり竹とは千島笹のタケノコを呼び、食用として非常に人気の高いタケノコです。姫竹など地方によって様々な呼び名があり、古くから食材として親しまれてきました。食用にできる部位は非常に小さいものの、柔らかい食感と甘味の強い味わいで人気があります。
季節 | 特徴 | |
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孟宗竹(もうそうちく) | 3月~4月 | 代表的な品種。アクが少なく美味。 |
淡竹(はちく) | 4月~5月 | 淡い紅色をしており食用としても人気。 |
真竹(まだけ) | 5月~6月 | 小振りでアクが強い。食用にもされる。 |
寒竹(かんちく) | 10月~11月 | 細く小振りだが美味しく食用として密かに人気。 |
四方竹(しほうちく) | 9月~11月 | 秋から冬の時期外れに発生。 |
根曲がり竹(ネマガリダケ) | 5月~6月 | 食用として昔から人気のある笹のタケノコ。 |
タケノコの歴史
タケノコの歴史をたどると、古くは「古事記」にも記されていますが、現在の主流となっている孟宗竹が日本に入ってくる前のため、その頃に食用とされていたのは真竹ではなかったかと推測されています。
今日本各地で収穫されている孟宗竹は、1700年台に島津家21代当主の島津吉貴らによって日本に渡ってきたと言われています。
タケノコの旬の時期
秋から冬にかけて発生するタケノコもありますが、一般的に食用とされる孟宗竹などは春が旬の時期となります。桜前線から1週間~2週間くらい遅れて時期がくるため、筍前線という言葉もあります。
なお、「筍」という漢字はタケノコの成長の速さが由来とされ、旬の意味を指す10日頃で竹になることからあてられたそうです。
タケノコの採り方(たけのこ狩り)
山や竹林を持っている方であれば特に問題ありませんが、他人の土地に勝手に入り込みタケノコを掘るのはトラブルになりますので絶対にしてはいけません。
竹の子園や農園の承諾を得てタケノコ掘りをするようにしましょう。
たけのこ狩りに必要な道具
たけのこ狩りに挑む上で必要な道具は以下の通りです。
- 汚れてもいい服装
- 長靴
- 軍手
- 鍬・スコップ
- 回収したタケノコを入れるカゴ等
場所によっては鍬やスコップを貸してくれる場所もあります。
たけのこ掘りの手順
基本的にレジャーとして楽しめる場所であれば採り方も教えてもらえますが、基本的な手順は以下の通りです。
- 竹やぶの中でタケノコの芽が出ているのを探す
- タケノコの周辺から掘る
- 赤いブツブツの根が見えるまで掘り進める
- 根が見えたらスコップの先端を使い掘り起こす
- タケノコを回収し無駄な泥を落とす
タケノコを探すのが難しそうという意見もありますが、他の山菜と違い見た目が分かりやすいのでそこまで難易度が高いものではありません。
むしろ掘る作業が意外と大変なので、良い運動になります。
タケノコの下処理・食べ方
良いタケノコの選び方
タケノコは鮮度が一番大事なので、水分を含んだみずみずしいものを選びましょう。鮮度の良いタケノコは産毛がたっていて皮にツヤがあり、切り口にもみずみずしさが残ります。
また、成長が進むと緑がかってくるので、黄色く頭の開いていないものが理想です。成長が進んだり鮮度の悪いタケノコは、アクが強くエグみもあり、食べる際にも筋が残るので美味しく食べられません。
タケノコの下処理・アク抜き方法
採れたてのタケノコであればアクが少なく生食も可能ですが、時間が経つにつれてアクが強くなるため、食べるにはアク抜き(下処理)をする必要があります。
タケノコの下処理の手順は以下の通りです。
- タケノコの皮を剥き根を落とす
- 鍋にタケノコを入れ、全体が隠れるくらいまで水を入れる
- 米ぬかと唐辛子を入れ2時間ほど煮込む(重曹や米の研ぎ汁でもOK)
- 串を指して柔らかくなったのを確認してから火を止める
- 汁に浸かった状態で冷めるまで待つ
- 冷めたら洗い流し調理する
アク抜きの方法は多々ありますので、クックパッドなどを見てみるのも良いでしょう。火を通りやすくするために切り込みを入れるなど、様々な工夫が紹介されています。
なお、保存する時は真水ではなく煮込んだ汁と一緒に保存するようにしましょう。
タケノコのレシピ
個人的にオススメなのが、アク抜きをしたタケノコにフキ味噌を塗ってトースターで焼く食べ方です。タケノコのフキ味噌焼きなんて名前もつけてみましたが、タケノコの甘みとフキ味噌の風味が同時楽しめる旬にしか楽しめない特別な味わいです。
タケノコの食感とフキノトウの風味を一緒に味わえる、春にしか楽しめない料理です。
タケノコの水煮などでも対応できますが、個人的にイマイチだったので当日に採れたタケノコを使用するのがオススメです。
- 生もしくは下処理したタケノコを1cmくらいの厚さに切る
- 切ったタケノコの表面にフキ味噌を塗る
- オーブントースターで表面を焼く(3分くらい)
- 盛り付ける
フキ味噌があれば簡単に出来るので非常にオススメです!
クックパッドで人気のタケノコレシピ
以下にクックパッドの人気レシピを紹介します。
タケノコの栽培方法
タケノコは生命力が強く、竹やぶがあれば勝手に生えてきます。どちらかというと竹林の維持管理が非常に大変で、近隣の周辺住宅とのトラブルにもなりかねないので、管理には十分注意しましょう。
なお、こちらの三島村ではブランド筍のオーナー竹林制度を行っています。現在は募集を締め切っていますが、興味のある方はご覧になってみて下さい。
アクが少なく柔らかい高級タケノコを気軽に楽しむことができる素晴らしい取り組みです。
通販で美味しい天然山菜が食べられます
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