【毒草】ハシリドコロの時期・見分け方・毒性・中毒症状・栽培方法

写真: 森の父さん花鳥風穴

ハシリドコロとは？

ハシリドコロは、日本では本州から四国・九州に生えるナス科ハシリドコロ属の多年草の1種です。アルカロイド系の有毒成分を含んでおり、食べられない山野草・毒草としても知られています。

春頃から新芽が出始め、全長40～50cm程度まで成長して赤紫色の花が咲きます。

新芽は葉に包まれていて蕗の薹に似ていることから、誤って誤食し中毒症状が出た事例が多数ある危険な山野草です。

名前	ハシリドコロ
呼び名	キチガイイモ,キチガイナスビ,オニヒルグサヤ,オメキグサ,サワナス,走野老,莨菪,Scopolia japonica
学名	Scopolia japonica Maxim.
分類	ナス科ハシリドコロ属
旬の時期	3月～4月頃
採れる場所	本州・四国・九州の山間地。湿り気のある地面に生える。
食べ方	毒草のため食用には向かない
似ている山菜	出始めの芽はフキノトウと間違われやすい

ハシリドコロの毒性

ハシリドコロの毒成分はアルカロイド類のトロパンアルカロイドが主体で、全体に毒性が含まれており特に根と茎に強く含まれています。

ほろ苦い風味で美味しく食べることができるため間違えやすいが、食べてしまうと副交感神経を麻痺させ嘔吐・めまい・幻覚症状・異常な興奮・下痢・腹痛・血便・瞳孔の拡大など、多岐に渡る中毒症状を引き起こします。

失禁や発汗を抑える症状も確認されており、体温の上昇なども起きやすくなるようです。

最悪の場合は死に至るケースもあり、非常に危険な有毒植物です。致死率も高いですが、服用から24時間を経過できれば生存確率も非常に高くなるとのです。

ハシリドコロのアルカロイド成分には、ヒヨスチアミン・アトロピン・ノルヒヨスチアミン・スコポラミンなどが含まれます。

口からだけでなく、ハシリドコロを触った手で目を触るだけで瞳孔が開く等の症状が出ることもあるため、取り扱いには注意しましょう。

毒が含まれる部位	毒性の強さ	食用について
根茎・根	強い毒性	食べられない
葉	強い毒性	食べられない
花・果実	強い毒性	食べられない

ハシリドコロの薬用成分

非常に強い毒性を持つハシリドコロですが、薬用成分も含んでおり日本では江戸時代から薬効として利用されてきました。中国でも東莨菪（とうろうとう）と呼ばれ利用されてきた歴史があります。

但し利用するには専門的な知識が求められることから、素人が使用することは危険。

ロートコンとロートエキス

日本では根と茎をロートコン（莨菪根、Scopoliae Rhizoma）という呼び名の薬品として利用されており、それらを水またはエタノールに浸出したものはロートエキスと呼ばれています。その他にも硫酸アトロピン・臭化水素酸スコポラミン・副交感神経遮断薬アトロピン・スコポラミンといった薬品の製薬原料となっているようです。

胃痙攣・喘息・神経痛といった病気の鎮痛剤、鎮痙薬、瞳孔調節麻痺薬などに利用されるようですが、元々の強い毒性から劇薬に指定されています。

この名前からロート製薬の社名の由来とされたという説もありましたが、今では無関係であったとされています。

ハシリドコロの見分け方

ハシリドコロとフキノトウの見分け方

ハシリドコロとフキノトウが間違えやすいと聞くことがありますが、大きくなってしまえばまず間違えることがなく、新芽が少し似ている程度です。

引用元: 東京都薬用植物園

ハシリドコロと蕗の薹を見分けるボイントとしては、葉の締まり具合でしょうか。実際に自分もハシリドコロの新芽を見たことがありますが、ハシリドコロの新芽は長く葉っぱが伸びています。それに対しフキノトウの新芽は葉がギュッと閉まっていて丸みを帯びているため、よく見れば間違えることはないと思います。

引用元: 東京都薬用植物園

ハシリドコロの栽培方法

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