ギョウジャニンニク(行者大蒜)とは?
ギョウジャニンニクは北海道名産の植物の一つで、畑での生産も積極的に行われている山菜です。「アイヌネギ」とも呼ばれるように、アイヌ民族では古くから貴重な食料・薬草・まじないなど様々な活用法にて親しまれてきました。
成長が非常に遅いため、山菜として収穫できる大きさになるまで3年~5年ほどかかると言われ、非常に貴重な山菜の一つです。
名前 | ギョウジャニンニク |
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呼び名 | ギョウジャニンニク、キトビル、キトピロ、キトビロ、アイヌネギ、行者大蒜、行者葫、キト、プクサ |
学名 | Allium victorialis L. subsp. platyphyllum Hultén |
分類 | ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属ギョウジャニンニク |
旬の時期 | 春 |
採れる場所 | 主に北海道から中部の針葉樹林帯の湿り気がある地面 |
食べ方 | 醤油漬けや炒め物など |
似ている山菜 | バイケイソウ、イヌサフラン、スズラン |
ニンニクに似た強烈な匂いが名前の由来とされ、根っこはラッキョウやノビルのように球根上の鱗茎になっています。
芽吹くまでに1年ほどかかるとされゆっくりと成長し、食用となる緑色の葉を複数つけます。初夏になると先端に綺麗な花をつけます。
販売されているような大きさになるまでに5年はかかるので、非常に高値で取引がされています。
行者ニンニクとアイヌ民族の関わり
アイヌ民族にとっての行者にんにくは貴重な栄養源だったこと、食べると体が温まること、保存がきく食材なことなどの観点から非常に愛されてきた食材です。乾燥させることで1年間の保存食にしたり、風邪薬として利用されていた記録が残っています。また、伝染病や疫病などを追い払う効果があると考えられていたとされ、大切にされてきました。
北海道民の多くが行者ニンニクが好きな理由の一つに、こういった文化的な背景もあるものと思われます。
アイヌ語ではキト、プクサ、キトピロなど複数の呼び名があるとされていますが、文献などで正式な呼び名はまだ分かっていません。
行者ニンニクの名前の由来
前述の通り、その強烈なニンニク臭が由来とされるほか、昔に山にこもって修行をしていた修行僧が食べていたこと、滋養強壮がすさまじく修行中に食べることを禁じられたからなど、諸説は色々あります。
ギョウジャニンニク(行者大蒜)の採り方
北海道では豊富に育っていて見つけるのも難しくないようですが、本州では見つけるのが難しい山菜です。主に針葉樹林帯の湿り気のある地面に生えるとされています。
有毒のスイセンやバイケイソウ、イヌサフランなどとしていることから、採る時は注意が必要です。
行者ニンニクを採る時は、間違ってもすべて採ることは避け、中心の葉は残し周辺の葉のみを摘むようにしましょう。
ギョウジャニンニク(行者大蒜)の下処理・食べ方
行者ニンニクの下処理方法ですが、特別にアク抜きなどが必要な山菜ではありません。
葉っぱだけ摘んだ場合は洗うだけで良いですが、茎から採ったものは根本についている赤いハカマをとります。
醤油漬けにする際に、ニンニクが苦手な人もいる場合は30秒ほど下茹ですると風味が軽くなりますが、基本的には洗ったものをそのまま調理して構いません。
刻んで炒め物にしたりしても美味しいです。
ギョウジャニンニク(行者大蒜)のレシピ
行者ニンニクの定番料理といえば醤油漬けです。醤油漬けにして冷蔵庫で保管すれば1年中独特の風味を楽しむことができます。刻んだ行者ニンニクを醤油漬けにすれば薬味としても楽しめます。
だし醤油で漬けるとよりまろやかな味わいを楽しめます。
ジンギスカンと一緒に炒めるのも定番の調理法で、野性味溢れる味わいで美味しいです」。
以下にクックパッドで人気の行者にんにくレシピを紹介します。
祖母直伝!三代伝わる行者ニンニク醤油漬け by しゅんさや777
春の香り♪ 鯛の行者にんにくカルパッチョ by しまちゅう(旅情家)
失敗なくからっと揚がる行者ニンニク天ぷら by しゅんさや777
ギョウジャニンニク(行者大蒜)の栽培方法
ホームセンターや園芸店では行者ニンニクの苗を購入することができ、畑やプランターで栽培することができます。 針葉樹林帯に生えることから日陰での栽培が利用ですが、そこまで暑すぎない地域であれば普通の畑でも構いません。大きな庭があるようでしたら、木ノ下などが一番良いでしょうか。
土作りですが、肥沃な土壌を好むことから堆肥や腐葉土を織り交ぜて土を作りましょう。畝は50~60cm幅で10~15cmくらいの高さにします。
群生する品種のため、株間は5cmくらいにしても構いません。1日に1~2回程度水やりをすれば十分です。冬場の水やりは控えめで大丈夫です。
種から栽培すると収穫まで4~5年かかることから、早く楽しみたい方は苗を購入することをおすすめします。
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